【レポート】第2回がん検診受診率等に関するワーキンググループ
7月11日、東京都港区の航空会館で、「第2回がん検診受診率等に関するワーキンググループ」が開かれ、前回に引き続き市区町村間・保険者間で比較可能ながん検診受診率の算定方法などについて議論した。
がん検診は健康増進法に基づく健康増進事業として市区町村が実施主体となっている。検診受診率の把握方法については、①国民生活基礎調査(厚生労働省実施)②地域保健・健康増進事業報告(同)③推計対象者を基にした受診率(国立がん研究センターがん対策情報センター実施、住民全体から職域がん検診受診可能者を除く)の3つがある。6月14日の初会合では、これら3つの算定方法をベースに市区町村間・保険者間で比較可能ながん検診受診率の算定方法について意見を交わした。
2回目の会合でも引き続きこの点について議論し、市区町村国保に加入する検診対象者を分母分子としたがん検診受診率で比較する方向で話し合いが進められた。また、職域でがん検診を受けられない人については、市町村の責任で把握し、それらの対象者に検診案内を出すのが当面は妥当な策であるという意見などが聞かれた。現状では一定基準で一定のものを行き渡らせるがん検診の仕組みがないことから、ワーキンググループの役割として、市区町村間受診率の比較など個々の議論以外にも、地域・職域全体のがん検診の実態や問題点を明らかにし、提言にまとめることなども確認した。
後半では、健康保険組合連合会と全国健康保険協会から、職域におけるがん検診受診率の現状と問題点が報告された。健康保険組合連合会の構成員は、職域のがん検診は健保組合と事業主の2パターンの実施方法があるためデータ集約が困難であること、事業主が実施している場合は個人情報保護の問題から本人同意がない限り結果を保険者が把握することが困難であることなどを報告した。全国健康保険協会の構成員は、そもそも保険者にはがん検診の実施義務がないこと、被保険者に関しては生活習慣病予防健診の受診者しか把握できないこと、被扶養者に関してはがん検診が検診項目に入っていないことなど、さまざまな課題があると述べた。
ワーキンググループは残り1回を予定。結果は8月中にまとめる。
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