子ども虐待による死亡事例等の検証結果等を公表(第12次報告)
9月16日、厚生労働省は「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について」(第12次報告)を公表した。2014(平成26)年4月1日から15(平成27)年3月31日までの1年間の死亡事例と、14(平成26)年4月1日から6月30日の3か月間に児童相談所が受理した、生命の危険に関わる受傷や衰弱死の危険性があるなどの重症事例を対象に検証、分析を行ったもの。
2000(平成12)年に制定された「児童虐待の防止等に関する法律」に基づき、子ども虐待による死亡事例の背景要因等を分析・検証し、問題点や課題を明らかにするとともに、今後の改善策を講じることを目的として、これまで11次にわたって報告をとりまとめてきた。
心中以外の虐待死事例は43例(44人)だった。子どもの年齢は0歳児が最も多く27人(61.4%)で、例年よりも高い割合となった。主な虐待の類型では身体的虐待が24人(54.5%)で最も多かったが、ネグレクトが15人(34.1%)と例年以上に高くなった。実母の抱える問題としては、「望まない妊娠/計画していない妊娠」が24人(54.5%)、「妊婦健診未受診」が18人(40.9%)で、例年以上に高かった。加害の動機では「子どもの存在の拒否・否定」が14人(31.8%)で最も多かった。
重症事例は10例(10人)だった。子どもの年齢は0歳児が8人(80.0%)で最も多かった。主な虐待の類型では身体的虐待が7割で、受傷の要因は頭部外傷が8割を占めた。
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