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「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」が取りまとめ

12月13日、「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」(座長=遠藤久夫国立社会保障・人口問題研究所所長)が取りまとめを公表した。多様で魅力的な「通いの場」の全国展開を目指すとしている。

一般介護予防事業は2014(平成26)年の介護保険法改正で地域支援事業の中に設けられ、自治体では介護予防普及啓発事業や住民主体の「通いの場」等の育成・支援を行う地域介護予防活動支援事業などの取り組みが進んでいる。そうした中、近年は地域共生社会の実現に向けた施策が求められるなど介護予防や地域づくりを取り巻く環境は変わってきた。そこで、昨年5月に「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」を設置し、今後の一般介護予防事業に求められる機能などを検討してきた。

12月13日に公表された検討会の取りまとめでは、多様で魅力的な「通いの場」の取り組みを全国展開するとしている。現状では「通いの場」の参加率は65歳以上人口に占める割合の5.7%に過ぎない。そのため、積極的な広報とともに、高齢者がそれぞれの年齢層や性別、健康状態、関心などに応じて参加できるよう、先進事例を参考に「通いの場」の事例集を作成し、関係者に周知することを求めた。また「通いの場」の定義が曖昧であるため、今後は自治体の介護保険の担当以外の部局が行うスポーツや生涯学習、公園や農園を活用した取り組みなども「通いの場」として考慮すべきとしている。一方、一般介護予防事業を効果的・効率的に実施するために、総合事業の対象者の弾力化、総合事業のサービス価格の上限の見直し、総合事業の上限額の弾力化などについて介護保険部会等での検討を求めた。

専門職の関与については、「通いの場」で後期高齢者医療広域連合等と連携して、市町村の保健事業と介護予防の一体的な実施を推進していくこと、「通いの場」に参加できない者へのアウトリーチ支援などがあるとした。PDCAサイクルに沿った取り組みを推進していくためには、アウトカム指標とプロセス指標を組み合わせた事業評価の推進を図っていくことが重要であるとして、介護予防に関する指標案を別添で提示している。

市町村の役割としては、行政内のさまざまな担当部局同士の連携、地域の自治会や医療・介護等関係機関、NPO法人、民間企業などとの連携が重要で、特に専門職が配置されている部門との連携や体制の充実に努めることとしている。都道府県には、専門職等の関係団体、自治組織、社会福祉協議会、後期高齢者医療広域連合、国民健康保険団体連合会、民間企業、大学等との連携体制の構築とともに、地域分析に基づいた情報発信や好事例の展開など、市町村への丁寧な支援を求めた。国には、一般的介護予防事業の進捗状況の把握、マニュアル作成や情報発信、介護予防に関するデータ活用のための環境整備や研修会の実施等を求めた。

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