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体罰等によらない子育ての推進に関する検討会(第4回)

2020年2月18日、厚生労働省中央合同庁舎第5号館の共用第9会議室で、第4回体罰等によらない子育ての推進に関する検討会が開催された。

体罰等によらない子育ての推進に関する検討会は、この日で最終回。
議事は以下の5点
(1)第3回検討会における素案の内容に関する主な議論について
(2)パブリックコメントにおける主な御意見について
(3)「体罰等によらない子育てのために」について
(4)「体罰等によらない子育てのために」の副題(キャッチコピー)
(5)意見交換

これまでの検討会で話し合われた内容や、パブリックコメントに寄せられた意見を反映したガイドラインの案が示され、体罰とは何を指すのか、また、この法律は子どもの人権を守るだけでなく、子育て中の親も守るものであるという理念もあらためて確認された。
そして「体罰等によらない子育てのために」の副題(キャッチコピー)は「~みんなで育児を支える社会に~」となったことが報告され、応募は527件のうち、検討委員の選定で最終候補に残った案も紹介された。

最終候補となった副題の中に、「子どもの権利」という言葉が入っていたことに関連し、森委員からは子供の権利に関する提出資料の説明が行われ、参加委員の間で情報が共有された。
森委員は、子どもの人権についての資料説明のほか、今後の啓発について、「リーフレット等もよいが、Webサイトにアクセスして表示、ダウンロードでき学べるスライド資料なども有効」と提言した。

福丸委員からは、子育て支援は、なにも大学や研究室で開発されるものだけではなく、いますぐ実践できることが多い。例えばきょうの帰り道で泣いている子どもの世話をする保護者に、微笑みかけることもそうだとし、これからの啓発は、目につきやすい、手に届きやすい情報を必要な人に届けることが、また、大人が子どもの言葉に耳を傾けることが大事だと話した。

立花委員からは、今後の啓発・普及について、ポピュレーションアプローチとしていくつか考えられる方法の一つに、全国各地の保健センターの活用が挙げられた。また、ハイリスクアプローチは、心に傷を負った子どもやその親も対象となることが示され、課題を抱えた人たちに向けたツールの開発など、課題も多く、次のステップへの土台となるなどの意見も出された。

高祖委員は、前述の子どもの人権に触れ、パブリックコメントの募集の際、資料にふりがなをふって子どもが読めるようにしたのも画期的だったのではないかと語り、キャッチコピーも体罰をしてしまった親を追い詰めるものではなくポジティブなものになった点もよかったと述べた。今後については「地域、自治体によって取り組みはまだまだ〝まだらもよう〟の状態で差がある。この検討会で話しあわれ、集約された意見が、学べる道筋を示せるようなものになれば」と話し、子どもの誕生が祝福されるような社会に、意識を醸成していくことが求められるとした。

松田委員はすぐに実践できる取り組み例として、目の前で泣いている子どもに見せられるような、小さな指人形を取り出して見せるなどしたうえで、「この法律やガイドラインが子育てをする親に求めるものではなく、社会が約束するものとなってほしい。」と、小さな小さなアクションからでよいので、それぞれができることを発信し連携することと、地域の住民はアイデアの宝庫。連携していく視点を持ち活動していきたいと意気込みを表明した。

座長の大日向雅美氏は「スウェーデンでは法律で体罰禁止してから40年をかけて、体罰等によらない子育てができる社会を実現してきた。日本でも法律ができ、ガイドラインができて終わりではなく、それぞれの立場でステージに合わせた啓発や、一人一人がすぐにできることを話し合い実践する社会などをこれから作っていくスタートとなる」とまとめた。

令和元年児童福祉法等改正を受け、体罰の考え方や範囲、法施行後の啓発について検討が行われてきたが、この日出た意見や情報を盛り込み、4月の法施行に間に合うように事務局でとりまとめを作成する予定。

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