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2021年5月号
新型コロナウイルスへの対応では日常の健康を守る保健師のスキルが役立った。保健師としての基礎力があれば、新しい問題に直面しても応用が利くことが証明されたといえる。
一方、保健師の人材育成はコロナの影響により足踏みを余儀なくされた。大きな危機を経験したいまこそ、いっそう力を入れるべき課題であり、今後、各自治体には平時と健康危機時を両睨みした体制構築とともに、それを支える保健師の人材育成プログラムが求められるだろう。
5月号の特集は保健師の人材育成をテーマに2部構成でまとめる。第1部ではコロナ禍の前から進んでいる保健師の人材育成について、現任教育を中心に現状を整理する。第2部では平時と健康危機時を見据えた人材育成についてテーマごとに深掘りしていく。また、新人時代にいきなりコロナ禍を経験した保健師たちの座談会を掲載し、健康危機と共存する時代の「育ち」について考える。
特集保健師人材育成のいま、そしてこれから
<第1部>保健師人材育成の現状
◎キャリアラダーの作成状況と国の保健師研修の概要
麻生保子(元厚生労働省健康局)
◎「保健師八策」で高知らしい人材育成を
─高知県の保健師人材育成
藤原真里(高知県健康政策部)
◎「共に学ぶ」土壌づくりを目標に
─つくば市の保健師人材育成
小野村順子(つくば市保健部)
◎「市町村保健師の人材育成体制の構築支援事業」から見えてくるもの
村嶋幸代(大分県立看護科学大学)
川崎涼子(長崎大学大学院)
◎都道府県の為の「市町村保健師管理者能力育成研修ガイドライン」を用いた研修について
成木弘子(日本赤十字看護大学)
<第2部>平時と健康危機時を見据えた人材育成
◎キャリアラダーを中心に平時と健康危機時の人材育成を考える
佐伯和子(富山県立大学)
◎激動の時代の人材育成で統括保健師に求められるもの
春山早苗(自治医科大学大学院)
◎〈オンライン座談会〉 新人保健師は新型コロナウイルス感染症対策にどう向き合ったか
・中板育美さん(武蔵野大学)=司会
・阿部由奈さん(港区みなと保健所)
・向井千香子さん(新宿区健康部牛込保健センター)
・北川あゆ美さん(滋賀県南部健康福祉事務所〈草津保健所〉)
ひよこ、ホップ、ステップ、ジャンプ!
渡 光子さん (港区みなと保健所 健康推進課 健康づくり係)
ピープル
中島 潤さん(認定NPO法人ReBit 事務局長兼キャリア事業部シニアマネージャー)
研究報告
「マルトリ予防」と「とも育て」を学ぼう・広めよう─養育者支援によって子どもの虐待を低減するシステムの構築
榊原信子(福井大学子どものこころの発達研究センター)
連載
東京保健師ものがたり【新連載】
第1回 妊娠、してませんから! <特定妊婦>
和泉慶子
オンライン市役所だより【新連載】
第1回 タイムリーな情報共有とほっとするつながり
オンライン市役所 保健師とつながろう課 島川智香(草津市 子育て相談センター)
ESSAY国際保健
第43回 引っ越しと断捨離
松田正己
保健師のための閑話ケア
第94回 「道楽」のすすめ
藤本裕明
中臣さんの環境衛生ウオッチング
第79回 新型コロナウイルス感染症と換気
中臣昌広
保健師に求められるLGBTQの知識と支援の在り方
第3回 ゲイ・バイセクシュアル男性におけるHIV/STI感染の現状
日高庸晴
保健師のストレスケアに生かすバッチフラワー
第3回 恐れや不安や心配が強いときに活用するバッチフラワー
八木知美