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2021年9月号
令和元年11月、内閣府の「子供の貧困対策に関する大綱」が改められ、支援が届いていない、届きにくい子ども・家庭への配慮などのメッセージが明確になった。令和3年1月からは、厚生労働省の生活保護受給世帯への健康管理支援事業が福祉事務所を中心として始まっている。
そうした中、生活保護世帯の子どもの有病率が高いことはさまざまな調査から分かってきているものの、子どもへの支援は必須ではなく自治体ごとの取り組みとなっているのが現状だ。貧困家庭では健全な生活習慣を育むことが困難な場合が多く、経済的な問題が児童虐待につながる懸念もある。国は平成30年度から「子どもとその養育者への健康生活支援モデル事業」を実施しているが、今後は福祉部門に配置された保健師が母子保健や健康づくり部門とどう連携するかが重要なポイントだろう。今号では、見えているようで見えない、貧困家庭の子どもの健康課題に保健師がどう向き合うかを考える。
特集貧困家庭の子どもへ必要な健康支援
【オンライン座談会】
「貧困家庭の子どもの健康を守る 実現可能性を目指して」
(出席者)五十音順
◎小泉伸秀さん (埼玉県保健医療部)
◎近藤尚己さん (京都大学)
◎中板育美さん (武蔵野大学)=司会
◎藤田恭子さん (上尾市健康福祉部)
◎山野則子さん ( 大阪府立大学)
◎「被保護者健康管理支援事業」の開始と
「子どもとその養育者への健康生活支援モデル事業」
今井志乃(厚生労働省社会・援護局保護課)
◎子どもの貧困対策 保健師に何ができるのか
─全国17自治体のインタビュー調査から
喜多歳子(札幌市立大学)
◎〈インタビュー〉湯浅誠さん(認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ)
食と居場所 こども食堂がつなげる未来の地域
聞き手:編集部
◎〈埼玉県の取り組み〉 子供の健口支援事業
小泉伸秀(埼玉県保健医療部)
◎〈国立市の取り組み〉
子ども・子育ての総合相談窓口「くにサポ」がつなぐ支援の輪
田中美津子(国立市子ども家庭部)
ひよこ、ホップ、ステップ、ジャンプ!
大柿美沙さん(球磨村役場 保健福祉課 地域包括支援係)
ピープル
渡辺由美子さん(NPO法人キッズドア 理事長)
活動報告
社会的養護の施設入所児童等への措置費負担による
予防接種の活用について
松田英治(島根県健康福祉部)
岩谷美恵子(児童自立支援施設 島根県立わかたけ学園)
ニュース
◎妊娠届出満11週以内が過去最高に
令和元年度「地域保健・健康増進事業報告」から
◎ひっ迫する保健所 疲弊する保健師
コロナ禍で奮闘する現場の声から
連載
東京保健師ものがたり
第3回 葡萄 <児童虐待>
和泉慶子
オンライン市役所だより
第3回 「貧困」をテーマにオンライン座談会 50以上の自治体が集まり開催した福祉部門との連携イベントより
オンライン市役所 保健師とつながろう課
大阪府立砂川厚生福祉センター自立支援第二課(つばさ)
堀江諒介
ESSAY国際保健
第45回 ビクトリア朝とナイチンゲ-ル
松田正己
保健師のための閑話ケア
第96回 長月夜話
藤本裕明
中臣さんの環境衛生ウオッチング
第81回 環衛業施設の新型コロナウイルス感染対策
中臣昌広
保健師に求められるLGBTQの知識と支援の在り方
第5回 ゲイ・バイセクシュアル男性の自殺未遂リスクの現状
日高庸晴
保健師のストレスケアに生かすバッチフラワー
第5回 肉体的・精神的疲労、やる気が出ないときに活用するバッチフラワー
八木知美
【短期連載】新型コロナ対策における地元大学教員の保健所支援(新連載)
第2回 新型コロナウイルス感染症の急拡大に伴う保健所への支援者受け入れにおけるマネジメントの実際
仙台市保健所青葉支所主幹 小林浩子
宮城大学看護学群教授 安齋由貴子
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