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1970年10月号(創刊号)
表紙の地図は山口県、山口駅の周辺。
タイトルや本文に使われている文言・表現は、当時のままで掲載しておりますのでご了承ください。
創刊号は希望者に贈呈され、購読の受付は次号からとなっていました。
以下は巻末の「編集だより」から一部を抜粋したものです。
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さて、保健婦のための-地域保健は、いかにもこの雑誌らしい誕生をしました。お金のない同志が、特定のスポンサーを持たず、信念と情熱と行動力を元手にヒシと寄り合って作っていこうというのです。
おそろしく非現代的とみえて、実は「脱現代」の、時代を先取りする自負を持っているのです。ちょうど保健婦活動のそれのように--だから、私たちの合言葉は一つ、『保健婦のためになることだけをしよう』です。保健婦の在るところ住民の人びとがある、と信じているからでもあります。
どうぞ、皆さまの雑誌として、あたたかく、時には厳しく育てていってください。
本号は恒例の国保保健婦集会の、今年の三つの柱の一つ、『精神衛生』の部分を核に地域活動に焦点をあてて補足して特集としました。
次号から「論壇」を設けます。一つのテーマをめぐって、保健婦自身の意見を表明する場です。仲間うちだけでなく、対社会的にも保健婦の意見が通用するようでなければならないと思います。
(編集部)
特集地域精神衛生活動(国保保健婦研修会講義録1)
◎精神科医療の現状と問題点
西尾友三郎
◎精神疾患の治療
平井富雄
◎地域精神衛生活動の展開方法
江熊要一
◎群馬県における地域精神衛生活動の実際
西本多美江
<全体討議>保健婦と地域精神衛生活動
江熊・西本両氏を囲んで受講生全員
◎精神分裂病者の生活臨床の技法 第1報
群大精神神経科教室
◎適応・不適応と精神衛生
梅沢 勉
特別講演現代における価値観
異常なる現代
損なわれる農村婦人の健康
見失った主体性
価値に対する選択と創造
昭和元禄の女性の意識
生命に迫る職業ゆえに
千五百万分の一の重み
責任をとりきる
『負』を『正』に転ずる連帯
権利としての労働観
家庭と職業の両立
よく老いるために
国際保健婦集会の特別講演より
講師:丸岡秀子さん
創刊のことば
「地域保健」刊行のことば より
生命の尊重が高らかにうたわれてから二十五年たちました。そのこんにち、社会の激動の中で人びとの健康管理体制をどのように確立すべきかが重要な課題となり、保健婦に大きな期待がかけられております。私たちは、こんにちよりさらに真剣に、生命に迫るこの専門職にどう取り組まなければならないか深く考えさせられます。
保健婦は、現在まで長いあいだ幾多の曲折を経ながらも、つねに地域の人びとの健康を支援し、身近な生活相談相手としての働きを全うすべく努力してまいりましたが、現在その機能を十分発揮できる活動条件が整えられてはおりません。また処遇も適切であるとはいえません。
このような現状を打開するために、地域の人びとと共に、生命尊重の社会を実現させていく活動を強めてほしいとねがわれます。またその中で、自身の存在をも主張してほしいと思います。
女性としての人生に、このような職業人としての生活を組みこんで生きることは、個人の課題であるばかりでなく、専門職種に働く女性全体の問題として、さらにはこれを通じて広くわが国の女性解放の問題にさえつながる大きな課題であると申せましょう。
この多難な課題にむかって、多くの保健婦が創造してきたすばらしい仕事と生き方をまず掘り起こしたいと思います。そして、それをお互いに磨きあげて世に出していきたいと、わたくしどもは心をこめて念願いたすものであります。そのためにこそ、雑誌「地域保健」を新しく刊行してまいりたく存じます。
編集委員 一同
創刊の祝辞と励ましのことば
国保中央会専務理事
全国社会保険協会連合会理事長
国立公衆衛生院
全国共済農業協同組合連合会長
厚生省・公衆衛生局長
厚生省・保険局長
厚生省・社会局長
ほか大学教授や評論家の方々から
今月の食生活
精神病の食生活の特徴と指導
鈴木芳次
今月の話題
種痘実施をめぐって
石丸隆治
読書
◎ドキュメント「隠された公害」―イタイイタイ病を追って(著者:鎌田 慧)
https://booklog.jp/item/1/4480025065
◎ふたりのみち-結婚学入門(著者:奈良林 祥)
技術
すぐに役立つレクリエーション・ゲーム
浦田伸子
期待の声
・発刊によせて
・読者参加の雑誌を
・発刊を祝して
・こんなことを思う
(全国の保健婦から)