- HOME
- 2018年11月号
2018年11月号
ひきこもりの平均年齢は年々上昇している。若いころにひきこもった人の高齢化に加え、離職後に再就職できない人たちが増え、新たな層となっているからだ。年金生活を送る高齢の親が50歳を超えた当事者の面倒をみるなど、将来の見通しが立たないケースも増えている。
一方で、ひきこもり地域支援センターの設置をはじめ、自立に向けた支援制度の創設、地域での居場所づくりなど、行政の施策や親の会などの民間団体による支援環境が整いつつある。長期にわたるほど社会復帰が難しくなるひきこもりは早期発見・早期支援が求められる。適切な支援を始めるには、保健師などの専門職によるアセスメントがポイントだ。
今月号では、高齢化が進むひきこもりについて、現状と課題、脱出に向けた各地の取り組みをまとめるとともに、保健師が担うべき役割について触れる。
特集高齢化するひきこもり
・ひきこもりの現状と課題
斎藤 環(筑波大学大学院)
・ひきこもりにおける8050 問題
川北 稔(愛知教育大学)
・ひきこもりの支援で保健師に求められること
目良宣子(山陽学園大学)
・ひきこもりの評価尺度sSOFAS の活用
目良宣子(山陽学園大学)
・親の会として保健師に期待すること
田口ゆりえ(特定非営利活動法人KHJ 全国ひきこもり家族会連合会)
・4つの事業で長期化・重症化を予防─岐阜県ひきこもり地域支援センターの取り組み
安田照美(岐阜県精神保健福祉センター)
・民間支援団体と行政がチームとして支援─京都府のひきこもり支援の取り組み
金森正明(京都府脱ひきこもり支援センター)
・「ひきこもり家族教室」で息の長い支援を─東京都板橋区の取り組み
義本伸子(板橋区保健所)、柿爪茉南(同)
・人口7万人の基礎自治体が独自に開設した総社市ひきこもり支援センター「ワンタッチ」
中井俊雄(社会福祉法人 総社市社会福祉協議会)
・地域の人と自然に交流できる場づくり
菊池まゆみ(社会福祉法人 藤里町社会福祉協議会)
ひよこ、ホップ、ステップ、ジャンプ!
大谷 福さん(大船渡市生活福祉部 健康推進課)
ピープル
織田友理子さん(NPO法人PADM〈遠位型ミオパチー患者会〉代表、一般社団法人WheeLog代表理事、車椅子ウォーカー代表)
報告
学生の授業として実施する住民向け「健康づくり事業」の取り組み
渡會睦子(東京医療保健大学医療保健学部看護学科地域看護学領域)ほか
レポート
胎児性アルコールスペクトラム障害の予防と対策に関する国際フォーラム
編集部
総合目録
連載
子どもの脳を守る
第4回 愛着形成について
友田明美(福井大学 子どものこころの発達研究センター教授)
折れない心 ~レジリエンスの高い人、低い人~
第4回 「自他に不寛容な心」をほぐす論理療法
諸富祥彦(明治大学文学部教授)
ESSAY国際保健
第28回 PHC40年に思う
松田正己
事業脳から脱却しよう!
第4回 有事にこそ、ポピュレーション脳を
佐々木亮平、岩室紳也
保健師のための閑話ケア
第79回 「菌」との関係
藤本裕明
中臣さんの環境衛生ウオッチング
第64回 西日本豪雨被災地の避難所の衛生対策活動
中臣昌広