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2020年5月号
健康経営は従業員の健康管理を経営的な視点から戦略的に実践することとされる。
日本健康会議が選定する「健康経営優良法人」は年々数が増え、「健康経営優良法人2020」は大規模法人部門1480法人、中小規模法人部門4816法人となった。
約10年ぶりに改訂された地域・職域連携推進ガイドラインでは、連携の目的を明確にするために健康経営にスポットを当てており、今後は行政保健師が地元中小企業の健康経営に関わる機会が増えると思われる。
健康経営は企業にとって生産性向上や企業のイメージアップにつながり、従業員にとっては個人の健康度を高め、疾病を予防し、職場の快適さや満足感を高めてくれる。一方、地域保健が地元企業の健康経営と関わることで、在住者や在勤者の健康課題を把握し、将来必要となる健康課題を予測した対策を検討できる。地域・職域双方にとっては資源の有効活用につながる。
行政保健師が関わる健康経営は主に中小企業が対象だ。「人が資本」の中小企業と、高齢者など健康弱者を抱える地域保健とのコラボレーションは、どのような展開をみせるのだろうか。5月号では健康経営の本質を考えるとともに、地域・職域連携による健康経営の具体的な姿を探っていく。
特集健康経営を地域と企業のコラボレーションで
<座談会>地域・職域連携と健康経営
【座談会出席者】 五十音順
津下一代さん(あいち健康の森健康科学総合センター)=司会
土屋厚子さん(静岡県健康福祉部)
高森洋子さん(大分県南部保健所)
室山孝子さん(横浜市健康安全部)
◎健康経営の本質
岡田邦夫(特定非営利活動法人 健康経営研究会)
◎幸福学から見る健康経営
前野隆司(慶應義塾大学大学院)
◎人を大切にする健康経営
坂本光司(人を大切にする経営学会)
◎市町と協働で「しずおかまるごと健康経営プロジェクト」を推進
《事例 静岡県》土屋厚子(静岡県健康福祉部)
◎協会けんぽとの地域・職域連携で健康経営を推進
《事例 大分県》藤内修二(大分県福祉保健部)
◎健康経営支援から健康関連サービス創出まで幅広く展開
《事例 横浜市》春日潤子(横浜市健康福祉局)
◎健康経営の概要と動向
飯森健一(経済産業省商務・サービスグループ ヘルスケア産業課)
ひよこ、ホップ、ステップ、ジャンプ!
荒川久美さん(神奈川県 平塚保健福祉事務所)
ピープル
梶原厚子さん(株式会社スペースなる 代表)
寄稿
言語聴覚士による地域共生の活動
橋田祐理子(NPO食べる力・円、言語聴覚士)
活動報告
長期的な国際保健活動から見えた保健活動の方向性
吉田和樹(医療創生大学看護学部)ほか
連載
高齢者の「通いの場」づくりの取り組みとその効果【新連載】
第1回 健康交流の家の機能と利用による健康増進効果
細川陸也ほか
ゲーム障害とスマホ依存―地域保健にできること【新連載】
第1回 2つの戦略-治療 VS 予防
磯村 毅
虐待予防は母子保健から 指導ではなく支援
第7回 「このままの私でやっていく」ことを支える保健師活動
鷲山拓男
ESSAY国際保健
第37回 パンデミックとの闘いと「平常心」
松田正己
保健師のための閑話ケア
第88回 「命の重さ」との向き合い方
藤本裕明
中臣さんの環境衛生ウオッチング
第73回 台風19号(令和東日本台風)被災地の1カ月後の避難所
中臣昌広