2020年7月号

児童福祉法の改正により、国はこの4月から「体罰等によらない子育て推進」の啓発キャンペーンを始めたところだ。虐待は通報だけでは防げない。より根本的に防ぐには、虐待を行った親を責めるのではなく、親を支える社会の役割が重要で、行政の保健師であればそれを踏まえて実践していることだろう。
しかし、しつけと体罰の捉え方は、保健師などの専門職であっても、多少は必要と考える人も少なからずいるという。本特集では、ガイドラインの解説をはじめ、逆境的小児期体験が大人になってから及ぼす影響に関する研究や、虐待予防の最前線で母子保健に期待される役割などについて、座談会や事例を通してお伝えする。

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20207月号

定価:本体 1507円(税込)
第51巻4号
発行日:2020年7月1日
B5版 96ページ

特集どこからが体罰か 体罰等によらない子育て推進における母子保健の役割

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<座談会>なぜ体罰はいけないか
 逆境的小児期体験が及ぼす影響と虐待予防

【座談会出席者】 五十音順
 高祖常子さん(NPO法人 児童虐待防止全国ネットワーク)
 中板育美さん(武蔵野大学)=司会
 福丸由佳さん(白梅学園大学)

◎体罰等によらない子育ての推進について
柴田拓己(厚生労働省 子ども家庭局 家庭福祉課 虐待防止対策推進室 室長)

◎マルトリートメント予防モデル 大阪の取り組み
 友田明美(福井大学 子どものこころの発達研究センター)
 
◎スウェーデンに学ぶ 子育て支援に求められる社会の覚悟
 大日向雅美(恵泉女学園大学)

◎子どもの人権
 森 保道(森・石光法律事務所)

◎幼少期の逆境体験と生涯にわたる健康
 伊角 彩(東京医科歯科大学)

◎長く親しまれてきた「ほめかた絵本」 《事例 京都府》
 中丹西保健所 中丹東保健所

ひよこ、ホップ、ステップ、ジャンプ!

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桑本美智代さん(京都府 中丹東保健所 保健課)

ピープル

西村貴好さん(一般社団法人 日本ほめる達人協会 理事長)

寄稿

新型コロナ対応に伴う保健所職員の健康障害を防止しよう
三隅達也(山口大学経済学研究科企業経営専攻〈医療・福祉経営コース〉)

活動報告

「ほめ達!」活用のススメ 滞納整理業務の現場から
岡元譲史(寝屋川市)

連載

高齢者の「通いの場」づくりの取り組みとその効果【連載】

第2回 住民主体・部署を超えた横断的な取り組みによる高齢者の「通いの場」づくり
阿部吉晋ほか

ゲーム障害とスマホ依存―地域保健にできること【連載】

第2回 「ひきこもり症候群」から見たメディアのインパクト
磯村 毅

虐待予防は母子保健から 指導ではなく支援

第8回 母子保健の虐待予防における援助関係形成に求められるもの
鷲山拓男

ESSAY国際保健

第38回 コロナ禍の学びと心に響く言葉
松田正己

保健師のための閑話ケア

第89回 夏の思い出
藤本裕明

中臣さんの環境衛生ウオッチング

第74回 保健所環境衛生監視員の視点から見た新型コロナウイルス
中臣昌広

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