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会員からの活動報告

 会員からの活動報告一覧 > 大野祐子(東京工科大学)2024.07.26

花田ミキさんは私たちの大先輩の保健師です。県庁の保健師として青森県内のみならず日本の戦後の看護行政や看護教育の発展に大きく貢献されました。

2024年7月2日に公開された映画『じょっぱり看護の人 花田ミキ』では、その人物と生きざまが描かれています。映画の公開を控えた2024年1月、全国の保健師仲間に花田ミキさんのことを知ってもらいたいと思い、第12回日本公衆衛生看護学会学術集会にてワークショップを開催したのでご報告いたします。

花田ミキさんを知ってもらいたい!

2023年1月、地域保健編集部から「花田ミキ役を演じる俳優さんに現場の保健師さんたちの実際の話を聴いてもらいたい」と声をかけられ、「保健師ヒアリング」に参加しました。それをきっかけに、私は花田ミキさんの大ファンになりました。花田さんに関する書籍を読んで、保健活動を年表にまとめてみると、青森のみならず、日本全体の看護や保健師活動に大きな影響を与えた人物であることが分かりました。ぜひ全国の多くの保健師仲間に花田ミキさんのことを知ってもらい、一緒に映画の公開を楽しみにして迎えたい! と思い、映画公開前にワークショップを開催することにしました。

みんなで作ったワークショップ、ありがとうございました!

私を含む保健師仲間3名が世話人となり、約3か月かけてワークショップの企画や広報の準備をしました。ワークショップの開催前に、3回ほどオンライン学習会を開き、花田さんのことをよく知る方からお話を聞いてイメージを膨らませながら取り組みました。三重ナースマネジメント協会のデザインチームのご協力によって完成した素敵なワークショップの案内チラシも、多くの方に配布のご協力をいただきました。

北九州市での現地開催当日にも多くの方にご協力をいただき、おかげさまで盛況のうちに開催されました。ワークショップ前半では、花田ミキさんの生涯についてお話しし、映画プロデューサーの鎌倉幸子さんからは映画の制作秘話と、ご自身のカンボジアでのご経験から命や平和にかける想い、保健師へのメッセージをお聞かせいただきました。
ワークショップの参加者は27名、全国各地から訪れた自治体の保健師、産業保健師、大学教員などで、後半のディスカッションでは、花田ミキさんのことや、保健師として抱える悩みや情熱などを参加者同士で語り合う充実した時間になりました。開催後のアンケートでは、回答者全員が「明日からの保健師活動が前向きになりましたか?」の質問に「とても」と、「映画『じょっぱり』を観に行こうと思いますか?」の質問に「ぜひとも」と答えてくださいました。

そのほかにいただいた参加者のご感想から抜粋したものをご紹介します。

◎花田ミキさんのことは初めて知りました。とても感動しました。もっと学ぼうと思いました。
◎映画の作り手の鎌倉さんの熱い想いに感動しました。
◎映画の公開を待ちきれないくらい楽しみにしています。
◎時代が変わっても変わらないことがある。それは命の大切さだと思います。
◎やっぱり保健師が好きだと思いました。

ワークショップ当日は、能登半島地震の発災からほんの数日後、ワークショップ開催中も能登では被災された方々と支援にあたっている保健師が大勢いると思うと胸が痛みました。時代は違っても、花田ミキさんもさまざまな健康危機に立ち向かってきた大先輩です。いま苦難にいる方々にとって花田さんの存在を知ることは大きな励みや救いになるのではないかと思いました。そして、1月に学会会場に来られなかった方のためにと2月12日までWEB上で視聴できるオンデマンド配信用動画も心をこめて作成しました。動画には花田ミキさんのお写真と、花田さんの著書から心に響いた言葉を引用し、音楽とともに言葉集を載せました。
現地開催もオンデマンド配信も、たくさんの方々のアイデアや、ご支援や、ご参加があってこそ、そして、日本の各地で頑張っている保健師の仲間の存在、特に花田ミキさんのご意志をついで素晴らしい看護と保健活動を実践されている青森県内の先輩方の存在があってこそ、最高なものが出来上がりました。ご協力いただきました皆さまに感謝申し上げます。

みんなに映画を観てもらいたい

2024年7月2日より劇場上映が始まりました。誠におめでとうございます。映画を観た方々からの感激の感想が私のところにも届いています。観る人によって感動する部分は違ってくるかと思いますが、かつて離島で保健師をしていたこともあり、NPO法人へき地保健師協会の会員である私にとっては、特に映画館に足を運ぶのも大変な地域に住む方々にこそ映画を観ていただきたいと願っています。
そのためには、みなさんのお住まいの地域から「ぜひ『じょっぱり』を私たちの地域で観たい!」と声をあげていただいて、全国の映画館で上映が決まりますように、そして、ゆくゆくは自主上映会も各地に広まりますようにと願っています。
映画「じょっぱり 看護の人 花田ミキ」で、花田ミキさんの生き方からたくさんの人が力をもらえて、命や平和を守る真の優しさが世界に広まりますように。

ワークショップ世話人代表 大野祐子


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