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【レポート】「次世代を担う子どもの健やかな育成のために」発表会

平成28年3月17日(木)13:00~16:00、一般社団法人日本家族計画協会主催の「次世代を担う子どもの健やかな育成のために」が東京・千代田区の海運クラブで開催された。

本会は「平成27年度厚生労働科学研究 成育疾患克服等次世代育成基盤研究推進事業」の発表会である。

山梨大学の山縣然太朗さんからは、「健やか親子21」の最終評価・課題分析及び次期国民健康運動の推進に関する研究」の報告。本研究の目的は健やか親子21の最終評価のための調査や情報収集を行いつつ、次期計画のベースラインを検討しホームページや新たなデータベースの構築を図ることであった。
健やか親子21(第2次)では、日本全国どこで生まれても一定の質の母子保健サービスが受けられ、生命が守られ(健康格差の解消)、疾病や障害、経済状況等の個人や家庭環境の違いなど多様性を認識した母子保健サービスの展開し、ソーシャル・キャピタルの醸成やピアサポート等の形成を目指すとしている。

国立研究開発法人国立成育医療研究センターの横谷進さんからは、「今後の小児慢性特定疾患治療研究事業のあり方に関する研究」の報告。
昨年1月に改正された「小児慢性特定疾病対策」は、「医療費助成」「医療の質向上と疾患研究」「自立支援」の3つの柱でできている。今回の改正では14の疾患群、704の疾病数に見直しされた。医療意見書も疾病ごとに作成し、疾患の手引きもまとめた。そして自立の支援を行う事業が法定化されたことを説明した。

東北大学の呉繁夫さんからは「東日本大震災被災地の小児保健の関する調査研究」の報告。
災害時の小児保健医療の向上を目的とし、被災地の医療機関の復旧状態、乳幼児健診、メンタルヘルス、周産期医療等の調査を行った。これにより被災地3県の子どもは他地域に比べ過体重であり、アトピー性皮膚炎、ぜんそくの罹患率が高かった。子どもの問題行動の背景には、震災前のトラウマ体験が震災によって増強していること、親のメンタルヘルスや養育環境が影響していることなどが分かった。

東京大学の水口雅さんからは、「慢性疾患に罹患している児の社会生活支援ならびに療育生活支援に関する実態調査およびそれら施策の充実に関する研究」報告。
慢性疾患を持つ子どもの心理社会的状態の実態把握を行った上で、自立に向けてのモデル案、自立支援のための移行支援の小冊子を作成し小児科医に配布。自立支援施策の充実のための検討を行った。

(参考:平成27年度厚生労働科学研究成育疾患克服等次世代育成基盤研究推進事業資料)

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