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【レポート】第4回地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会(地域力強化検討会)

12月14日、厚生労働省の「第4回地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会(地域力強化検討会)」(座長=原田正樹日本福祉大学社会福祉学部社会福祉学科教授)が開かれ、中間とりまとめ案が示された。

中間とりまとめ案の構成は以下のとおり。

1 総論
(1)地域、福祉を巡る現状と課題、希望
(2)3つの地域づくりと「我が事」の意識の醸成
  ・自分や家族が暮らしたい地域を考える」
  ・地域で困っている課題を解決したい
  ・一人の課題から
  ・3つの地域づくりと「我が事」の意識の醸成
  ・専門機関、包括的な支援体制への連携
(3)「くらし」と「しごと」を支える
(4)従来の福祉の地平を超えた次のステージへ
(5)この中間とりまとめについて
2 各論
(1)住民に身近な圏域での「我が事・丸ごと」
 ・「我が事」の地域づくり
 ・「丸ごと」の地域づくり
(2)市町村における包括的な相談支援体制
(3)地域福祉計画等法令上の取扱いについて
 ・地域福祉計画
 ・地域福祉の考え方
 ・守秘義務に伴う課題
(4)自治体、国等の役割について
 ・自治体の役割
 ・国の役割
 ・社会福祉法人等の役割
(5)寄付文化の醸成について
3 終わりに

2各論(4)の「自治体の役割」の所では、「また、関係機関において『丸ごと』の相談体制を目指していく中で、自治体の組織においても『丸ごと』に対応できる体制を作っていく必要がある。福祉分野における横断的な体制だけではなく、保健師が地区担当であった頃の利点を再評価しながら保健分野も含めて全庁的に、包括的な相談が実施可能となるような体制の構築に向け検討していくべきである。その際、分野ごとの施策を地域福祉として統合化して企画ができる機能が必要である。」と、保健師に関する記述が盛り込まれた。

この日は事務局の示した中間とりまとめ案について意見を交わした。

朝比奈ミカ構成員(中核地域生活支援センターがじゅまるセンター長)は、「全文を通して健康な人が健康でない人を助けるというストーリーで書かれている気がする。健康な人も地域の中で自分の課題を周りの人の助けを借りながら解決していくとすべきではないか」と意見を述べた。これに対して原田座長は、「我が事という考え方のコンセプトにも関わる大事なポイント。(中間とりまとめ案では)朝比奈構成員が言ったような文言して入っているところもあるが、後半の部分では支援する側と支援される側に二分されてしまうような記述もある」と賛意を示した。

越智和子構成員(社会福祉法人琴平町社会福祉協議会常務理事・事務局長)は、「制度や機関が少ない町村では、都道府県など広域的なバックアップがないと難しいのではないか。都道府県として何か仕組みを考えてもらうことを書きこんでほしい」と求めた。片山睦彦構成員(藤沢市福祉部長)は、「学校現場のことや、ライフステージ移行期のつなぎ、制度間のつなぎに関する記述が必要」と意見を述べた。

「社会福祉法人等の役割」の項における社会福祉協議会の記述については多くの意見が出た。中間とりまとめ案では「地域住民、福祉以外の分野に関わる団体や企業の幅広い活動につなげていくため、社会福祉協議会のボランティアセンターは、ボランティアを通じたまちづくりのためのプラットフォームとなる『まちづくりボランティアセンター』(仮称)へと機能を拡充させていくことについて、検討する必要がある。」と記されている。これに対して「社会福祉協議会の『まちづくりボランティアセンター』ではなく、社協の活動そのものがボランティアを通じたまちづくりそのものではないか」「今後の議論をする上で、中間とりまとめの頭出しで、社協がウイングを広げ地域の要になっていく機能を持つべきとすることは非常に意味があるのではないか」「社協だけでなく地域のいろいろな団体との連携がポイントになるのではないか」などの意見が出された。原田座長は「中間とりまとめそのものを社協が全部受け止め、その在り方を考えてもらわなければいけない。4、5行で社協のことを書くという趣旨のものではないと思う」との認識を示した。

中間とりまとめは、この日の各構成員の意見を反映させて修文し、年内に公表する予定。また、検討会は年明けに再開し、より具体的なことについて夏ごろまで議論を続ける。

 

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