厚生労働大臣が「ひきこもり」に関してメッセージを発信
6月26日、厚生労働省はホームページ上で根本匠厚生労働大臣のメッセージ「ひきこもりの状態にある方やそのご家族への支援に向けて」を発信した。川崎市や東京都練馬区の事件の影響で、ひきこもりの状態にある人が危険人物であるかのような誤解が一部で広がっているため、当事者や家族、国民一般に向けて、ひきこもりに対する正しい理解を呼びかけたものだ。
大臣のメッセージが厚生労働省ホームページ内では画像とPDFで掲載されているため、スマートフォン等でご覧になる方にも見やすいように、テキスト全文を以下に転載いたします。
ひきこもりの状態にある方やそのご家族への支援に向けて
川崎市や東京都練馬区の事件など、たいへん痛ましい事件が続いています。改めて、これらの事件において尊い生命を落とされた方とそのご家族に対し、心よりお悔やみを申し上げるとともに、被害にあわれた方の一日も早いご回復を願っています。
これらの事件の発生後、ひきこもりの状態にあるご本人やそのご家族から、国、自治体そして支援団体に不安の声が多く寄せられています。
これまでも繰り返し申し上げていますが、安易に事件と「ひきこもり」の問題を結びつけることは、厳に慎むべきであると考えます。ひきこもりの状態にある方やそのご家族は、それぞれ異なる経緯や事情を抱えています。生きづらさと孤立の中で日々葛藤していることに思いを寄せながら、時間をかけて寄り添う支援が必要です。
誰にとっても、安心して過ごせる場所や、自らの役割を感じられる機会があることが、生きていくための基盤になります。ひきこもりの状態にある方やそのご家族にとっても、そうした場所や機会を得て、積み重ねることが、社会とのつながりを回復する道になります。
また、ひきこもりの状態にある方を含む、生きづらさを抱えている方々をしっかりと受けとめる社会をつくっていかなければならないという決意を新たにしました。まずは、より相談しやすい体制を整備するとともに、安心して過ごせる場所や自らの役割を感じられる機会をつくるために、ひきこもりの状態にある方やそのご家族の声も聞きながら施策を進めていきます。そして、より質の高い支援ができる人材も増やしていきます。
ひきこもりの状態にある方やそのご家族は、悩みや苦しみを抱え込む前に、生活困窮者支援の相談窓口やひきこもり地域支援センター、また、ひきこもり状態にある方が集う団体や家族会の扉をぜひ叩いて下さい。
国民の皆様におかれましては、あらゆる方々が孤立することなく、役割をもちながら、ともに暮らすことができる、真に力強い「地域共生社会」の実現に向けて、ご理解とご協力をお願いいたします。
令和元年6月 26 日
厚生労働大臣 根本 匠
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