「人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全と健康に関する有識者会議」で報告書案を議論、取りまとめへ
12月25日、厚生労働省の「人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全と健康に関する有識者会議」(座長=城内博日本大学理工学部特任教授)の5回目の会合で、報告書案について議論し、おおむね了承された。今後、若干の文言修正をへて最終的な報告書として取りまとめられ、今年度中にガイドラインに反映される。
検討会は健康寿命と働く期間が延びている現状を踏まえ、高年齢労働者の安全と健康に関し幅広く検討することを目的に今年の8月に設置、高年齢労働者の特性に配慮した安全衛生教育や労働災害防止の安全対策、健康確保対策などについて検討してきた。
報告書の副題は「エイジフレンドリーな職場の実現に向けて」。前半部分で、高齢者には何らかの疾患を抱えながら就労している人が多い実態を説き、フレイル、ロコモティブシンドロームなど高齢者特有の問題を取り上げた。企業の取り組みとしては高齢者の労働災害防止対策の取り組み状況のほか、健康経営やコラボヘルスにも触れている。
後半ではガイドラインに盛り込むべき事項を整理した。高齢者が働きやすい職場環境の実現に向けて、事業者にはリスクアセスメントの実施をはじめ、職場環境の改善、健康診断や体力チェックの実施、それを踏まえた措置などを求めた。また、地域・職域の連携の視点から、保健所の保健師などが地域の中小事業者に対し、職場における健康づくりや生活習慣改善について講話や保健指導を実施することなども例示した。
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