保健師のビタミン

コミュニティをつくる

第1話共感でつながる

最近特に思うようになったのは、自分が楽しんでやっていないと、説得力もないし、誰もついてこないということです。

行政の保健師をやっていた頃に身についてしまった「仕事だからやる」という姿勢が私を支配していることに気づきびっくりします。

せっかく行政を退職したのに、いまだに地域のためとか、市民のためとかって思ってしまっているんですよね。こんな自分をまずは変えたいと思う今日この頃なのです。

まずは自分が楽しいこと、気持ちいいこと、自分のためという動機があるものを材料に人と人をつないでいきたいなあと思うのです。やっぱり、感動を与えられなければ変化は起きないのです。

解っていることと、やることの間には心を動かす何かが必要だと思います。信念を持ちながらも柔軟で楽しんでいる人たちは人々を惹きつけます。

マニュアル通りにやって人を感動させることなんてできないですね。

さて、コミュニティレストラン浅めし食堂のスタッフも5年目を向かえ、今年はお問い合わせが多い農園の体験と食堂の料理を教える食育教室を企画しています。

打ち合わせをしていると、あれもやったほうがいいのかな、これも求められているよね、という感じで話が膨らんでいきます。

私は、「これだけは自慢できる!ということで勝負したほうがいい」「一つか二つのテーマに絞って確実に伝えよう」とお願いしています。

つい、お客様のことを考えて、どうやったら楽しんでもらえるかと考えてしまうのですよね。これはある意味正論で、間違いはないのですが、大事なことを忘れているのです。自分たちがコンセプトをしっかり持ち、磨きをかけることで、思いが伝わるのだと思うのです。そして共感してくれる人が集まってくるのだと思います。

口先だけできれいごとを並べても共感は生まれません。本物の輝きがあるところに共感が生まれると思います。

自分の本物って何だったっけ?と考えることが多くなりました。

著者
三上公子
NPO法人活き粋あさむし 事務局長、(株)ヘルスプロモーション青森 代表取締役、医療法人蛍慈会理事、コミュニティ・レストランネットワーク運営委員、保健師、看護学修士
保健師らしい仕事をしたいがために行政の保健師を退職し、フリーの立場でヘルシーコミュニティ形成に奮闘中。
ヘルスプロモーションの活動において、地域住民の立場でコミュニティのしくみを探り、住みよい地域をつくろうと思って活動をしています。

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