コミュニティをつくる
第6話メールで簡単に済ませるわけにはいかない
最近、突然メールで活き粋あさむしの活動について質問されたり、資料提供を依頼されることがあります。その手のものは大学生が多いのですが、行政職員もいます。
メールでのやりとりは私だって日常茶飯事ですし、出歩いていることも多いので、細かなことを確認するためになくてはならないものになっています。しかし、現場に足を運ばないでメールで済まそうというのはいかがなものでしょうか。
活き粋あさむしの活動は、地域活動ですから現場を見ていただき、肌で感じ取ってもらうしかありません。私がメールで活動について伝えたところで、何が伝わるというのでしょうか。地域活動について学ぼうとしている学生が、メールで質問して資料集めて、それでどうしようというのでしょう。全国の事例を並べてレポートを提出するのでしょうか。寒々とします。
私たちの活動については、書籍や雑誌などで紹介されておりますので、それを見て研究者のみなさんや、ジャーナリストのみなさんは現場においでになります。当たり前でしょうが、地域を知らずして何も語れないはずですから。
しかし、一部の学生や行政職員は気軽に、そして当たり前のようにメールで事を済まそうとします。自分の知りたいことについてピンポイントで情報を得ようとします。挙句の果てはこちらの負担で資料を送って欲しいという人もいます。
私は、やる気が感じられない人からの依頼は丁重にお断りしています。また、知らない人からのご依頼も基本的にお断りしています。なぜならば地域活動は人と人をつないでいく活動ですから、お互いが影響しあい、協力し合い、いざとなると遠くの仲間でも助け合うような、日ごろ積み重ねた信頼関係を必要とするからです。信頼関係がない人に活動の細かなことをお話しても理解できるかどうか。。。
反対に、私たちの活動の現場に足を運んでくれて、ディスカッションする人たちとのやり取りでは随分と学びがありました。何よりもそういう人たちのおかげで、自分たちのコンセプトや活動に磨きがかっていきます。
地域活動の紹介をするとともに、フィールドワークで地域を知ってもらいます。そうするとそれに対する感想とともに、様々な意見や世界の事例を教えてくれます。私たちは随分と、教えることで教えてもらい、情報をもらうことができました。こんな関係に持ちこみたいものです。
しかし、情報よりも私を成長させたものは、まっすぐな瞳で「あなたはどう思いますか?」「今後どのような展開を考えていますか?」などの私の本質に迫る質問をされることで、自問自答し、深く考える機会を与えられたことにあります。
磨きとは1回や2回ではかからないものです。何回も何回も繰り返して、余計なものが削ぎ落とされるのです。
それはリアルでのやり取りによってのみ、得られるもので、会ったこともない人とのメールのやり取りでは得られるものではありません。