保健師のビタミン

事例に学ぶ保健指導

第2話住民は保健師に何を求めているのか?-1

日ごろ、保健師に対する意見をブログや掲示板などで見かけることがあります。
その中には、「保健師に上からものを言われた」「何か欠点がないかと必死に質問してきた」「相談に行って、かえって傷ついた」などの厳しい意見もあります。

保健師なら、「相談したらほっとした」「すべきことが分かって安心した」と言われたいものです。
しかし、残念なことに、現実には住民を不安にさせたり、落ち込ませたり、知らないうちに傷つけてしまう場面もあるようです。

保健師も一生懸命、対応しているはずなのに、なぜそのように思われてしまうのでしょうか。
その理由の一つに、「問題を探して解決する」という思考パターンがあると思います。その人の問題点、悪い部分を探して指導する。住民の健診結果を目の前に、あなたは何を見て、どのような思考、行動をとろうとしているのでしょうか。健診結果の問題、さらには喫煙や飲酒、食生活、運動などの改善すべき生活習慣を探していないでしょうか。

問題を見る目も必要ですが、それと同時にその人の良い点、うまく機能している身体や行動をも探していただけたら、そんな気持ちで住民の前に座っていただけたら、互いに居心地の良い時間を共有することができる可能性が生まれると思います。

著者
村田陽子
(有) ビーイングサポート・マナ 代表取締役、NPO法人まなネット 理事長
自衛隊中央病院高等看護学院、北海道立衛生学院保健婦学科卒業後、自衛隊札幌病院で透析室看護師となる。朝日新聞健康管理室、HOYA健康管理室などで健康相談、健康教育業務に携わり、1990年よりフリーの保健師、健康教育コンサルタントとしてセミナーを実施。95年ビーイングサポート・マナを設立。01年NPOマナネット設立。

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