事例に学ぶ保健指導
第10話結果を出す特定保健指導のために
特定保健指導に限らず、保健指導の結果が出る人と出ない人の違いは、その人が『自分は目標を達成する価値のある人間』だと自分を認めているかどうかにかかっているかもしれません。指導してもしても、変わらない人、リバウンドする人の中には、私はやせるはずがない、やせてもきっと戻るはず、そんな大変なことはできないと、最初からあきらめている人です。
そういうあなたは、自分にOKが出せていますか。自分は自分のままで良いんだと、受け取れる人でなければ、人を肯定的に受け止めたり、相手の大事な価値や存在肯定を助けることは困難かもしれません。
あなたは自分の存在をどのように捕らえていますか。あなたにとって保健師とはどんな存在なのですか、この答えを持つことが、あなたがの仕事に大きな違いを起こしていくものだと思います。上司がいうからやっている、あるいは国にやらされている、というのであれば、自主性がなく、保健師に叱られるからやりました、親にやらされている、という住民と何ら変わりがありません。
そういうわたしは、保健師は「人を見るプロ」だと思っています。医学的な面だけではなく、一人の人として、生活者として、心を持った人間として、肉体をもった人として、まるごと、そのまま見ていけるプロだと思っています。
自分の先入観や価値観の枠組みを出て、ありのまま、その人の世界をともに見る、相手の良さも欠点も両方見ながら、相手とともに歩む事のできるのが保健師だと思っています。
また、プロはプロとして自分の技術を磨いてゆく責任があると考えています。プロのスポーツ選手はプロになってお金をもらえるようになったから終わりではなく、プロとして活躍するために日々練習と技術を磨いています。
私は「人を見るプロの保健師」として、さらにスキルアップをしていきたいと思っています。また、私の得たスキルを多くの保健師さんたちと分かち合いたいと思い、「自己決定を援助する健康相談(メディカルヘルスコーチング)」という研修を行っています。一緒に保健指導、保健師の質を高めていれば、幸いです。ご興味のある方はHPを参照ください。お会いできること楽しみにしています。