保健師のビタミン

環境衛生監視員の視点から

第2話新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う公衆浴場(銭湯)の休業時の注意点

休業中は、設備関係業者と相談のうえ、1または2の作業をするのが望ましいと考えます。

1 浴槽、配管等の滞留水を完全に抜く

レジオネラ症発生防止のための注意点があります。 休業開始時に、浴槽、配管等に滞留水が残っていると、レジオネラ属菌が増殖し、再開時にレジオネラ症患者の発生するリスクが高くなると考えられます。完全に排水して、滞留水を残さないことが望ましいと考えます。

2 通常どおりの循環ろ過をする

浴槽水を循環ろ過する施設では、おおむね営業時間に、通常どおりに浴槽水を循環させてろ過をすることで、水の滞留によるレジオネラ属菌の発生・増殖を抑えることにつながります。

ろ過の様子
3 再開時の安全確認

1~2週間以上の休業後に再開する前、レジオネラ属菌の水質検査を実施して、菌不検出により安全を確認することが必要だと思います。水質検査は、生きた菌を調べる培養法と、死菌まで調べる迅速法があり、両方をセットにした水質検査が望ましいと考えます。

4 配管洗浄の実施

おおむね1か月以上休業後に再開する場合、配管洗浄を実施し、レジオネラ属菌の水質検査をおこなって、菌不検出により安全を確認することが必要だと思います。前述のとおり、水質検査は、生きた菌を調べる培養法と、死菌まで調べる迅速法があり、両方をセットにした水質検査が望ましいと考えます。

著者
中臣 昌広
一般財団法人日本環境衛生センター
技術調査役・環境衛生分野担当

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