保健師のビタミン

環境衛生監視員の視点から

第3話公衆浴場(銭湯)施設での新型コロナウイルス対応の方法例

施設の対応では、次の三つの視点が大切です。
①ウイルスを持ちこませない。
②感染を起こさない。
③ウイルスを拡げない。

1 営業者、従業員の感染予防

作業の前後で手指消毒か、石けんで手洗いする。
マスクをつける。
フロント等に、利用者からの飛沫感染を防ぐため、透明ビニールカーテンを下げる。
フロント、番台で、使い捨て手袋等をしてお金にふれる。

2 利用者の手指消毒

靴箱から脱衣場の範囲で、利用者の手指にウイルス付着の可能性がある。
アルコール液等の手指殺菌か石けん手洗いを、お願いする。
酒の60%台の高濃度エタノール製品も、手指消毒に使用できる。
ウェットティッシュで代用する方法もある。

3 ロッカー類の消毒(1~2時間に1回)

脱衣場にウェットティッシュ箱を置き、ロッカー内の拭き取り等で利用者が自由に使えるようにするのもよい。
 ●消毒場所:靴箱の取っ手、脱衣場入り口扉の取っ手、ロッカーの取っ手等
 ●消毒方法:消毒用アルコールを含ませた布類で拭く。
次亜塩素酸ナトリウム(商品名:ピューラックス等5%液、家庭用漂白剤も同程度濃度)を100倍希釈して、浸して拭いてもよい。
金属類は、腐食する可能性がある。布類の拭く面を変えながら作業する。

4 高齢者の感染防止の時間わけの目安(開店時刻を早めて、人を分散化する方法もある。)

① 開店~17時30分:65歳以上(高齢者)
② 18時00分~閉店:65歳未満

5 3密をつくらない

① 密閉をつくらない。
 ●脱衣場:1時間に1回、窓開け換気をする。窓を開け、換気扇を運転する。
 ●浴室:窓を一部開ける。
② 密集をつくらない。
 ●開店前の入口:利用者が1.5~2m離れて並ぶ。ポスターで説明、地面にテープ。
 ●脱衣場:ロッカーを1つおきに使う。長椅子を撤去する。1人用椅子を置く。
 ●浴室:洗い場を1つおきに使う。
③ 密接をつくらない(近接の発声、会話など)。最小限の会話にとどめる。


著者
中臣 昌広
一般財団法人日本環境衛生センター
技術調査役・環境衛生分野担当

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