保健師のビタミン

ヘルスプロモーション的ほめ言葉

第5話感謝の言葉でほめる!

いつも、金曜日のビタミンを読んでいただいて
ありがとうございます!

このことばも、厳密にいえば、感謝の気持ちを表しているわけで、直接的には「ほめて」はいません。

でも、実は、その背後に「あなたのしてくれたことで、私は本当に助かりました。嬉しいです。こんなこと滅多にないほどすばらしいです」というメッセージを含んだ言葉なのです。感謝とは、よくしていただいたという、相手の功績や努力をたたえる気持ちにあふれる心のやり取りなのですね。

英語のgrace、スペイン語のgracias はいずれも、美徳や感謝という意味があり、価値を含んだ言葉です。

それに、ありがとうと言われると、誰だって嬉しいですよ。ほめるのがうまくない人でも、すぐに言えます。

ありがとうという言葉のやり取りの多いところでは、場の雰囲気も明るくなります。ぜひ、家庭でも学校でも、職場でもコミュニティでも、ふんだんに使いたい「ほめビタ」言葉です。

○○(健康祭りとか)がうまくいったのは、□□さんのお陰ですよ!感謝感激です!

保健活動は一人ではできませんし、保健指導だってクライアントの協力があってこそ成果が生まれます。イベントや教室を企画準備した人だけでなく、参加してくれた人、宣伝してくれたひと、手伝ってくれた人、みんながいたからこそ、成果が出て効果につながっていくものです。

そうした様々な「おかげ様」に感謝の気持ちを表して、時にさりげなく、時にははっきりとあなたの言葉で伝えてみましょう。すると、その方やクライアントのセルフエフィカシー(自己効力感)も高まっていきます。特に、だれだれさんと必ずお名前を入れることを忘れずにね。とても効果的なのです。

私がいまでも公衆衛生医として活動できているのは、みなさんのお陰です!
 ほんとうに、ありがとう! 

著者
佐甲 隆
三重県立看護大学教授(公衆衛生・地域保健学)
小児科臨床医だったが米国留学の後、公衆衛生に転身。ヘルスプロモーション、保健活動マネジメント、保健師コンピテンシーに関心を持ちつつ、明るく楽しいナラティブな対話型公衆衛生を目指す。

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