映画にみる保健活動のヒント
第8話フォースと共にあれ
A long time ago in a galaxy far, far away…とクレジット。
ジョン・ウィリアムズのスペクタキュラーな音楽に押されて、暗い星空に黄色い活字でタイトルと物語背景が巨大な板状にロールアップし、銀河の果てに消えていきます。長大な宇宙神話の始まりでした。
ジョージ・ルーカス監督『スター・ウォーズ』全6作は、昭和53年の封切から平成17年の完結まで27年間に亘って展開されました。
遠い昔、遥か彼方の銀河系に銀河共和国という巨大な共同国家体がありました。しかし、時が経つと政治は腐敗し統治機能は衰え、共和国は分裂の危機をむかえます。
この時代を背景に、古代より銀河共和国の秩序を陰で支えてきたジェダイと呼ばれる騎士団が奮闘します。しかし、その彼らの前に、数千年前に滅びたはずの悪の力を信奉するシスが現れ、ジェダイを排除して銀河を支配する「帝国」を打建てようと暗躍します。
そんな中、ある辺境の惑星でアナキン・スカイウォーカーという少年がジェダイとして見出され、銀河共和国、ジェダイ、シスの運命の中心になり話は展開していきます。
アナキン少年の生涯と銀河共和国の衰退と再生が重なります。隠された啓示も数知れず。
- キリスト教的社会観。
父親不明のアナキンはイエスを彷彿とさせます。キリスト教で悪魔は天使の堕落したものと説明されています。 - 人種的偏見からの解放。
共和国は知的生命体(異形異星人)をすべて同胞とするローマ帝国型の人種政策です。アメリカらしさ? - 父親の子育て。
私はこの物語を、母の喪失が心因となってダークサイドに堕ちたアナキンを、その子どもたちが救う家族愛が話の中心だと思います。特に、子育てにおける父親の役割がテーマです。
宇宙の平和を守る騎士ジェダイは、自分の後継者パダワンを必ず育てなければなりません。そのジェダイが後継者アナキンの育成に失敗して暗黒面に堕としてしまうのです。現代の父親もその傾向ありです。
私たち父親は、職場で後輩の指導には心砕きますが、肝心のわが子に「父子相伝の技」を伝えてきたでしょうか。
父親は、
- 仕事などを通じて、人生の先輩の見本となりやすい。
- 自ら腹を痛めていない客観的視点から、社会性を伝達しやすい。
- 母親の心の安定に多大な影響を与えやすい。
- 職業生活のみでは人間として偏頗です。子育ては自らの成長に役立ちます。
どうです…May The Force Be With You