映画にみる保健活動のヒント
第10話保健師はターミネーター
1984年、米・ロサンゼルス、筋骨隆々とした裸体の男(アーノルド・シュワルツェネッガー)が青い電磁波に包まれて突如出現し、その直後から、サラ・コナーという名前の女性が次々に殺されます。
話の進展と共に私たちが知る真相は、
- 1997年8月29日に後世「審判の日」と呼ばれる核戦争が勃発し30億の人命が奪われること
- その戦争は軍事用コンピューター「スカイネット」が惹き起こしたもので、残された人類と機械との戦争が始まり、その戦争をサラの息子ジョンが指導者となって勝利するという未来
- 破滅の危機を目前に、2029年「スカイネット」は、その母親の抹殺をアンドロイド「ターミネーター」に指令し、サラの娘時代にタイムスリップさせたこと
- それを知ったジョンが、母を守り抜くためにターミネーターの後を追って、カイルという男性兵士を送り込んだ現状などです。
ジェームズ・キャメロン監督は、昭和59年『ターミネーター』のヒットで、7年後『ターミネーターⅡ』を作りました。母サラの殺害に失敗したスカイネットは、最新型の強力ターミネーターを現代に送り込み、今度は少年に成長したジョンの抹殺を企てます。それを知ったジョンは、機械軍より少し旧型のターミネーターを護衛に送り込みます。この旧型ターミネーターをシュワルツェネッガーが演じるという、逆転の発想が斬新で、より面白さもアップしました。
この映画は、未来の人類の救世主となる子どもとその母親を守る使命をもったターミネーターの物語です。保健師の子育て支援も同じ目的ではありませんか?そう、保健師はターミネーターにならなくてはいけません。
人間の社会をより良くするためには、子どもを幸せに育てることしかないのです。
まさに"子どもは歴史の希望"というミッションを、ターミネーターと母親サラは実践したのではありませんか。
児童福祉法第2条は、保護者とともに行政も、子どもの福祉に責任を負う、と謳っています。しかし、今や保護者は、行政と共に子育てについての両輪の片輪たりえなくなっています。映画の母親サラは子どもを守るため自ら敢然と戦いますが、現代日本の母親はターミネーターに任せ切ります。
子育て支援とは、子どもを通して親が親になれるように支援していくことだと思われますが、そのために保健師はどんな能力を必要としていくのか。
映画の中にはヒントがいっぱいです。