保健師のビタミン

発達サポート読本

第5話ご存知、黒柳徹子さん

なにをいまさら…、と言われてしまいそうな国民的ベストセラーですが、私はこのたび初めて読みました。もちろん、このウェブ連載のためです。さすがにいい本でした。

いつの頃からか正確には知りませんが、トットちゃん、つまり少女時代の黒柳徹子さんは、AD/HD(注意欠陥/多動性障害)だったとかLD(学習障害)だったとかいわれ始めました。
でも、AD/HDは1990年代、LDでも1960年代に誕生した言葉ですから、トットちゃんの時代には、こういう子は障害児とはみなされなかったわけです。

ですから、正確には「トットちゃんはAD/HDだった」ではなく、「トットちゃんは、いまだったらAD/HDと診断されちゃったかもしれない」というべきなんですね。この違いはじつは大きくて、抱える問題もとても大きいと思うのですが、それについて書くには字数が足りません。
いやあ、残念だ。

ここでは、子どもにとって、楽しく学校に通えることや自分の学校を「大好き!」と思えることがどれだけ大切か、ということをあらためて強調しておきたいと思います。
それは、障害があろうとなかろうと、すべての子どもについていえることです。

著者
山登 敬之
医療法人社団八月会東京えびすさまクリニック院長
1957年東京生まれ。精神科医、医学博士、日本児童青年精神医学会所属

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