保健師のビタミン

発達サポート読本

第8話作業療法士、木村順さんの書いた本

著者は、感覚統合療法を用いて、自閉症やADHD、LDなど、発達障害の子どもたちの療育を行っている作業療法士です。

発達障害というと、とかく知能や言葉にばかり関心が行きがちですが、身体を見る視点もとても重要です。「感覚統合」というのは、脳に入ってくる感覚情報が整理され、全体としてうまくまとまることをいいますが、上にあげたような発達障害を持つ子どもでは、この力がじゅうぶんに育っていないため、外部からの刺激に過敏に反応したり、運動がぎこちなくなったりします。それが「育てにくさ」のもとになるというわけです。

たとえば、子育てではスキンシップが大切だとよくいわれますが、なかには人から触られることをとても嫌う子どもがいます。こういう子は触覚を識別する力が未発達なため、刺激に対してまず防衛反応が起きるのだと考えられます。そのことを理解しないと、せっかくのスキンシップも誤ったアプローチになってしまいます。本書は、そのあたりの理屈を、わかりやすく丁寧に説明してくれています。

著者
山登 敬之
医療法人社団八月会東京えびすさまクリニック院長
1957年東京生まれ。精神科医、医学博士、日本児童青年精神医学会所属

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