藤本さんの講演旅行記

web版 講演旅行記-13 通算第31回
群馬県沼田市、三重県津市、オマケの静岡県掛川市

2018-09-18

今年度は本誌関連の講演依頼が急激に減った年である。全国のモノズキな依頼者が、一巡したのだろうか。毎月のように日本中を行ったり来たりというのも大変だが、ある程度それに慣れてしまったので、こう少ないと、拍子抜けな感じでさえある。

さて、今年度の1回目は5月の群馬県沼田市。4年連続であり、web版講演旅行記-3で紹介もしたので、写真などの詳細は省略させて頂く。 沼田に行くと、「道の駅白沢」の「望郷の湯」という露天風呂に入ってから講演―というのがパターン化している。普通、講演後に入るものじゃないのか、と、よく突っ込まれるのだが、講演がすんだら高速が混み出さないうちに早く帰りたいのだ。だから温泉が先になる。わざわざ温泉に入らなくても良いじゃないか、という意見もあろう。でも、せっかく遠方に行くのだから、楽しまないとねぇ…。河岸段丘を見下ろす眺めの良い温泉は、なかなか他にはないだろうし。それに、今回は無料の入場券まで先に送って頂いていたので尚更だ。
沼田は毎回、ケアマネさんなど介護職の方が対象で、今回のお題は「対人援助に心のゆとりを ~相手と自分の関係づくり~」。顔なじみになった方もいるが、毎回、初めての参加の方もいらっしゃるようだ。沼田だけではなく、この業界は人の入れ替わりが多い印象がある。
今回は簡単なロールプレイも混ぜての話。ま、いつものように何となく無事に終わった。

そして、8月、三重県津市。津も2回目だ。前回、4年前はカミさんも同道して伊勢神宮にも足を延ばしたが、今回は日帰りという設定なので、津の観光はしなかった。しかし、片道4時間半の日帰りは、さすがに老体には厳しい…。
朝7時に家を出て、まず最寄駅から東京駅に向かう。名古屋まで新幹線で行き、そこから今回はJRの「快速みえ5号」に乗る。動き出して、そのエンジン音で、ディーゼルと気づく。車掌に尋ねると、途中までしか電化されていないとの事。

ね、空に架線(電線)が見えないでしょう。地元の方によると、先に近鉄が充実させたのでJRが後れをとった、という話もあるみたい。
津駅に着いた「快速みえ」。

改札を出ると担当のNさんがお出迎え。県教育委員会の保健師さん。4年前に保健師対象の講演をした事をどなたかから聞いて、今回のご依頼になったらしい。つまり、本誌から直接ではなく間接的なご依頼である。車で福利健康班長のS氏と一緒に、まずは三重県議会議事堂に。
何で、議事堂? って感じだが、昼食のためである。議事堂内に「マンドルーラ」という喫茶室があって、そこに向かう。いろいろ写真も撮りたかったが、議事堂は、何だか軽々しく写してはいけない気がして、撮ったのはこれだけ。

コースターだ。真上から右回りで、伊勢神宮、熊野古道、伊賀忍者、伊勢エビ、真珠、海女(あま―日本一多いそうだ)、松坂牛、ナガシマスパーランド(遊園地)、鈴鹿サーキット、温泉、そして、最後が伊勢の夫婦岩(めおといわ)。正直、4年前に来るまでは、伊勢神宮と真珠くらいしか三重だと認識していなかった気がする。松坂牛くらい知っていたが、それと三重とが繋がっていたかどうか…。鈴鹿サーキットもしかり。三重の皆さん、ごめんなさい。
メニューにはジビエ料理もあるようだったが、この日は品切れで残念。その代わり、昭和59年当時の皇太子ご夫妻が三重に来られた時に献上したカレーを復活させた―というのを頂戴してみた。美味ではあるが、それより、量が多い事が印象に残っている。周りの方々の他の料理を見ても、何だかどれも多く見えた。
一度外に出て、議事堂の左側の建物に。

右の議事堂の建物より低く見える、確か「講堂」と書かれた立派な建物。ここが講演会場。
対象は県内の教職員で、テーマは「心が元気になる講座~こころの切り替え・ほぐし方、人間関係のコツ~」。何と3時間の長丁場だったが質問の数が多過ぎて、10分程オーバーしてしまった。
私の講演のやり方は3時間だとしたら1時間半だけ喋る。そこで休憩時間を取り、無記名で自由に質問を書いてもらって回収、後半はそれを一枚一枚読み上げて答えるのだ。たいてい主催者側の方々は、そんなに質問が出ないのではと案じられるが、無記名というのがミソで、今回も相当数の質問が出たわけ。
終了後は、今度は近鉄特急に乗って名古屋に向かう。

こっちは、架線があるでしょう。
土産に「津餃子」というものを頂いた。

参考までにボールペンと並べたが、大きい。元々は給食のメニューだったとかで、具がギュッと詰まった大きな揚げ餃子であった。

ついでに、4年前の写真も少し紹介。「講演旅行記」としては、2014年12月号に書いている。
まず、伊勢神宮の外宮(げくう)の入り口。

暑い日だったが、ご覧のとおり、鳥居の向こうは木が多く、少し空気が違っていたのを覚えている。

外宮の本殿。いや、本殿といったって、本当の本殿はこのずっと奥なのだ。庶民は絶対に立ち入ることができない神様の領域、内宮(ないくう)にバスで移動。

この先が結構遠い。鳥居の向こうの橋を渡り、こんな立派な庭園を見ながら先に進む。

そして、前年に式年遷宮を終えたばかりの内宮。

4年前は津城跡も見た。

まだまだたくさんの見どころが、三重にはありそうだ。

さて、今年に戻る。
片道4時間半の日帰りは厳しいので、津から2時間ほどの静岡県掛川市で途中下車して一泊。あるご縁がある土地で、何度も来ているが、講演に呼ばれたわけではない。だから、旅行記には無関係と言えばそうなのだが、ついでに少しだけ紹介。
まずは、掛川城。

この城の天守、平成6年の再建なのだが、元の城の図面などを参考に、昔のままの木造で再現されたものだ。名古屋城はコンクリートで作ってしまって、これから木造に建て替えるという話があるが、復元された所はコンクリート製で外見だけの城が多いようだ。その点、昔ながらの建築は貴重である。そんなに大きな天守ではないが、城好きな方なら一度は訪れてみる価値があると思う。日本100名城のひとつでもある。

そして、次に紹介するのは、掛川花鳥園。元が同じグループが運営していた似通った施設が富士や松江など数カ所にあるが、鳥好きにはたまらない触れ合いの場である。

昔の庄屋さんの長屋門のような建物が入口。中は大きな温室になっていて、通年で見事な花が咲いている。

花とは別の温室には鳥たちが。

猛禽類も間近で見られるし、イベントでは腕に乗せる事もできる。

下の子は、今までテレビなどで何回も紹介された有名鳥のアフリカオオコノハヅクのポポちゃん。

今は寝ているが、敵がいると、まずは身体を細くして木の枝のフリをする。敵が近づいて来ると、今度は大きく膨らんで目を見開き、威嚇する。同じ鳥とは思えない程に変身をするので、今でもその映像はネット上にあふれている。

猛禽以外にも、かなりの種類の鳥がいて、エサをあげる事が出来る。

その結果、こんな人もいた。

ペンギンにも。

オニオオハシやクジャクにも。

エサはあげられないが、動かない事で有名なハシビロコウも、すぐ目の前に。

この子は「ふたば」という名前で、飛んだりエサの魚を食べているシーンを何回も見たが、この日は暑くて、扇風機の前でじーっとしていた。
まだまだたくさんの鳥がいて、外には大きな池に水鳥、エミュー牧場もある。
いろいろなショーもあって、ヘビクイワシという鳥が、ヘビ(のニセモノ)の頭部をキックして攻撃するショーなどは他で見た事がない。
この日は、訓練中のコンゴウインコが飼育係の指示通りになかなか動けなくて、そのうち勝手に帰ってしまうというシーンに出会った。ほほえましいのと同時に、立派にショーをこなせるまでの飼育係の苦労が想像されて、感心。

さて、来月は岩手の日帰り。今年は日帰りだらけ。

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