web版 講演旅行記-15 通算第33回
過去写真館-③
2019-02-22
2019年は、皆さん、どんな幕開けでしたか?
ここ数年、私は1月2日に上野動物園に行き、出口からすぐ近くの上野東照宮に初詣、というパターンであるが、一昨年までは東照宮で並ぶ事はほとんどなかった。去年、どうしたわけか、10mくらい並ぶ事になってビックリしたが、今年は50mくらいも並んだ…。園内のパンダ観覧の行列が2時間待ちとなっていたから、パンダを見に来た人たちが流れてきていたのだろうか…。
パンダ好きの方は、上野より、過去写真館の②で紹介した和歌山県に是非どうぞ! 時間もかかるしお金もかかるが、それでもJALのパッケージを利用すれば羽田から一泊往復で3万円強からある。じっくり間近で見られるし、上野で2時間並んで数分よりはずぅっと良いのは保証する。パンダ以外にもイルカショーなど、なかなか工夫のある施設です。
と、そんな話をしているうちに、もう2月になってしまった。節分が過ぎ、埼玉でも梅がチラホラ。
さてと、前回の「過去写真館」は、その梅の名所、和歌山。次は、どこを紹介しましょうかねぇ。
2013年頃は、本当にあちこちに呼んで頂いたので、写真はいっぱいあるのだが、5年以上も前となると、今では姿を変えたものも多いかもしれない。
それでも、ちょっと面白かったものをいろいろとピックアップしてみましょうかね。
上の2枚は、ちょっと戻るが、過去写真館①で紹介した函館の、金森赤レンガ倉庫。2012年の撮影。
これと似たような名所として名高いのが横浜の赤レンガ倉庫だ。横浜も何回かお呼び頂いているが、この撮影は2013年2月の講演の時。
どちらも内部はいろいろな商業施設になっていて、明治時代からの建造物。それぞれに風情があり、好みは分れるが、規模的には横浜の方が大きいかな。
横浜の波止場と言えば、われわれ古い人間は、ある童謡を思い出す。
「赤い靴はいてた女の子」の像。野口雨情の童謡「赤い靴」の少女だそうだ。1979年の設置というから、40年前。童謡そのものは大正時代だが。「いーじんさんにつーれられーてーいーっちゃーったー」異人(外国人)さんに連れられて海外に行っちゃった歌であるが、いい爺さんに連れられて―と勘違いしている人もいるとか。
中華街で食事をしてから、次に向かったのはナント無料の「野毛山動物園」。無料だが、レッサーパンダまでいる。
このあたりは2013年8月号に紹介しているのだが、私が一番気に入った展示はハツカネズミだった。
ちょこまかとネズミたちが動き回っているだけなのだが、見ていて飽きない。きっと今も工夫された展示が続いている事であろう。
ところで、「講演旅行記」ですよね、横浜に行ったこの時はいつ講演したのかって? 波止場や赤レンガ倉庫を見て、中華街に行って、動物園見て、最後に喋ってきたのです…(;^_^A
新潟の十日町や静岡県牧之原市などの講演も、この年。でも、残念ながらあまりいい写真が残っていない。
面白いのは2013年10月にうかがった、福島県須賀川市の「かっぱ麺」。この地の明治時代からの製麺会社の直営食堂「大黒亭」で頂いた。
須賀川はキュウリの産地→キュウリはかっぱの好物、というわけで、キュウリの絞り汁を練り込んだ麺にキュウリや野菜の天ぷらがトッピングされたものだが、写真中央にあるのはかっぱの卵だというのだ。
割ってみると
笑えたし、美味しかった。
震災から2年半で、まだまだ痕跡が残る須賀川だったが、もう今は、復活したのだろうな。町並だけじゃなくて人々の心の復活も祈る。
ところで、ここは、松尾芭蕉と「ウルトラマン」の土地でもある。「おくのほそ道」の旅で芭蕉が滞在したのと、ウルトラマンの生みの親、円谷英二氏の生誕の地だからだ。
そんなわけで、「芭蕉記念館」があったり、
町のいろいろな所にウルトラマンたちがいる。
翌11月には、山形県にいた。
講演は庄内町だが、宿泊はそのすぐ隣の酒田市。行き方を検索したら、空路が最初に出てきてビックリ。山形新幹線? なんて、勝手に思っていたのだが。陸路で行くとなると、新潟に出て日本海沿いを北上するようだ。地図を見て納得。山形も広い。
講演前日に酒田市に入り、市内の散策。
昔の廻船問屋「鐙屋(あぶみや)」は、中が見学できるようになっていた。
次に「庄内米歴史資料館」。昔の農家の生活風景の再現や
船の模型、
そして驚くべきは、米俵を担いだ女性像。
一俵あたり60kgなので、300kgを背負っている…。
この資料館は、明治中期に建てられた「山居(さんきょ)倉庫」という米保管倉庫の敷地内にある。
なかなかの風情だ。そう言えば、この光景、今までにも映像で見た事があったと気づいた。
雪をかぶった鳥海山が遠くに見え、巨大な鳥が頭上を通過する。白鳥だ。広大な田んぼが広がり、これぞ田園風景といった感じ。白鳥は田んぼに下りたっては何かをついばんでいる。
冬には大雪となるため、吹雪を避ける壁のような設備もある。
高い建物は酒田のホテルくらいだったかな。山は遠く、どこまでも平らな庄内平野。
それまでに訪れた東北各地と何かが違うと思っていたが、それは山が近くにない事だ。何度も行った岩手県岩泉町なんか、逆に平らな所があまりなくて山に囲まれた町だったし、そこまでではなくても、もう少し近くに山があるのが多くの場所の印象だ。
私が生活しているのは関東平野。しかし、私の生活圏の埼玉南部や都内は、山という山はないが、割合坂道が多い。それに高い建物も多いから、それ程見晴らしは良くない。
しかし、埼玉でも、特に北東部に行ったりすると、本当に平らだなって思う。富士山と筑波山が見えちゃったりする。広い田んぼもあって、白鳥がいない以外は庄内によく似ていると思った所もあった。
日本は、広い。でも、やっぱり、日本は日本で、どこに行ってもどこか似ていて、初めての土地なのに懐かしさを覚える事も多い。人の温かさも、方言は違っていても、どこか似ている。