藤本さんの講演旅行記

「保健師のための閑話ケア」web版【番外編】
穏やかな日々の記憶

2020-05-01

何? いきなりパンダ? って感じかな。これは講演旅行で2013年1月に訪れた、和歌山県のアドベンチャーワールドのパンダである。
屋外で、日差しを浴びて、ゴロゴロしている。昨今の人間が、忘れかけているノンキな光景。
日本だけじゃなくて、今、世界中が大変な事になってしまっている。
「新型コロナウイルス」そのものの脅威の他に経済的・心理的な負担も大きくて、世の中の人々の気持ちがどんどん追い詰められていっているようだ。 世界中が経験した事のない騒ぎ。そんな中で感染症対策の最前線で働いている保健師も多いだろう。また、そうでなくても、仕事上・生活上を問わず、多大な影響を受けて疲弊している方々が多いはずだ。
だからこそ、ちょっとホッとしてもらいたくて、「番外編」を用意したのだが、心がほぐれそうな写真を探していたら、このパンダがあった。
このパンダのように無防備にゴロゴロした日々、あなたにもあるでしょう。
今だからこそ、そんな日を思い出してみよう。私のどうでもいい話を読んでも、コロナには意味がないだろう。でも、これを読んで、穏やかな日々を思い出したり、少しホッとしたり笑えたりしたら、免疫の活性化にはつながる(かもしれない)。

自分で写した写真の中にほのぼのとしたものは他にもある。風景が多いが、生物だと圧倒的に鳥が多い。我が家にもオカメインコやアオクビアヒルがいた事は何度か書いてきたが、外を歩いていても、鳥の写真をよく撮っていた事に今回気づいた。
野生の姿を見られるのが、鳥だからかもしれない。私の生息地域だと、野生動物は鳥以外にはタヌキ、ヘビ、カエル、川を泳ぐ魚類くらいしか思いつかない。
あ、いた。野生のヤツ。しかも、家の中によく現れる。
な~んだ?

ヤモリだ。爬虫類が苦手な人にはごめんなさい。ちょっとピントが合っていないが、まるでおもちゃが置いてあるように、そこにいる。しかも、動かない。じ~っとしていれば見つからないと思っているらしい。その、何ともゆるい判断というか、存在感が笑える。
ヤモリは何年にもわたって、時々家の中のどこかに現れては、家族の誰かに見つかって笑われる、ちょっとコミカルな存在として我が家では定着している。

階段。

網戸。そして、特にのんびり屋の子ヤモリは捕まえられてこういう事になる。

この後、人間が踏まないような場所として、鉢植えの植物に放たれたが、それからしばらく、ずっとそこにいた。

もう、仲良しの同居人といった感じである。ヤモリは、家を守るから、ヤモリというらしいが、皆さんの地域にも多いかな? 苦手という人もいるでしょうが、よく観察するとかわいいですよ。
ちなみに、イモリと間違える人がいるが、イモリは両生類。

これは我が家のペットだった子。私につかまれてのけぞっている。腹が赤いから、アカハライモリ。日本中にいるが、腹の模様に地域によって特徴があるらしい。これはこれで、たいそうマヌケな感じの生き物だが、ヤモリやイモリの事は2015年10月号の連載(「爬虫類・両生類」の魅力)に書いたので、ご参照下され。

野生の鳥の写真でちょっと誇らしいのは、これ。

ピントが悪くて何が誇らしいのかと言われそうだが、埼玉県さいたま市の荒川河川敷にある秋ヶ瀬公園で見つけた野生のフクロウだ。
2012年5月に散策していて、はるか樹上に薄茶色のカタマリを見つけた。最初はスズメバチの巣だなと思って眺めていたら、何だか、向こうも見られている気がしたらしくて、首から上が動いて見下ろしてきた瞬間の映像なのだ。目と目が確かに合った気がする。
そしたら、すぐに気まずくなったらしくて飛び立ってしまったのだが。こんな所にも野生のフクロウが住んでいるのかと感激したものだ。きっと今もいるだろう。
身近な野鳥では、やはり、コイツがかわいい。

上野公園のハシブトガラス。ここのカラスたちは、人からご飯をもらったりしているので人慣れしている。この写真が、たしか2mくらい。どこまで近寄れるか寄ってみた。

これで1.5mかな。さらに近寄って1mくらいに接近したら、

「ん? 何かくれるの?」
と、言われた気がした。
ちなみに、カラスの巣は樹上にこんな風にかかっている。

わかります? 上から3分の1くらいの所の中央付近。これは我が家の近所の巣。キジバトの巣よりは大きくて、針金ハンガーなどの素材を巧みに使っていたりする。この写真ではわからないけれど。

穏やかな空気は、動物以外も与えてくれる。季節の花、

新幹線からと飛行機から見た富士山。

ちなみに、これは奄美大島に向かう飛行機からの撮影。和歌山の南紀白浜に向かう便は、富士山頂の真上に近い辺りを飛行するので火口が見える。
手入れされた日本庭園もホッとさせる魅力がある。

これは鹿児島の仙厳園。日本には、本当にステキな所が多い。

こちらは我が家の庭。であるわけがない。伊勢神宮内宮の庭だ。
季節が作り出す美も、また素晴らしい。今年の3月29日は、これまた実に不思議な景色をプレゼントされた日だ。

わかりにくいが、我が家の近所の、満開の桜に降る雪。水墨画のような景色だ。
間近の写真。

人間もまた、面白い。お笑い芸人という事ではなく、何となく、ホッコリさせてくれるような事をしてくれたりする。さすがに人の写真は公開しにくいが、面白い作品をひとつ。

ナント、可愛過ぎるが、私の肖像が描かれた札束である。全部で500万ある。私が関わるデイケアのメンバーとスタッフによる力作だ。
デイケアで何か喋ってくれと言われたので、私の講演料は高いと吹っかけた。そしたら、こんな高額?の報酬が来たわけ。ちゃんと裏面もあるんですよ。
作品と言えば、料理も人間ならではの作品だ。そして、人を幸せにしてくれる。
講演旅行では、全国各地で様々なものを頂いた。
パンダで始めたから、まずはそこで買ってきたパンダまん。

箱に書かれている「海浜」と「陽浜」は、たしか今は中国に帰っていると思うが、きっと別のパンダまんがあるだろう。
和歌山では知り合った保健師さんのお母さま手作りのサンマのなれ寿司と手作りコンニャクも後日送って頂いた。

特にサンマは日を追うごとに発酵が進み味が変わって美味しかった。
あとは、あえて説明せずに、写真だけ載せてみようか。ヒントがある物を多く載せるが、どこの何か知りたい人は、どうぞお問い合わせ下され。

あ、失礼。最後の写真は料理ではなく、お気に入りの皿で水浴中の我が家のオカメインコ。
もっと大きい皿の方が良いだろうに、頑としてこの皿以外は使わない。自分専用の浴槽だと思っていたのだろう。
実は、つい最近、23歳の誕生日目前に天国に飛び立ってしまったのだが、沢山の心温まる時間や笑いを与えてもらった。

自分でも料理はする。でも、ここでは2品だけ紹介しようか。

何かわかりますか? そう、七輪の中で燃える炭火。そこに乗るのは、当然、サンマ。

ま、料理というほどではないが。
炭火では、こんなのも焼きますよ。

豚バラブロックを、数時間かけて炭火で焼きながら、サクラの枝などでいぶし、半ば燻製のようにする。実に、美味。皆さんにこんな料理をふるまって元気づけたいところだが、今は、集まる事さえ難しい…。
こうやって、炭火で料理したりする最大の理由は、火が好きだからだ。本当は焚火が一番いいが、昨今はそれも自由にはできない。なので、火を見たい時には自室の和ろうそくを灯す。

このゆらゆらと揺れる炎が、美しい。現代のろうそくの安定した燃え方と違って、まるで生きているみたいに表情がある。癒されますよ。

ウイルスとの戦いはまだまだ始まったばかり。
注意するに越した事はないが、神経質になり過ぎて心がダウンしてしまっても困る。心が弱れば免疫力も弱る―という悪循環に陥らないように、好きな事、ホッとできる事、笑える事、気持ちの良い事を、今できる範囲で見つけよう。
私はweb版「自転車日記」にも書いたように還暦を過ぎてから自転車を始めたのだが、今年になって、実は、もう一つやる事が増えた。

ギターである。実は昔から弾いていて、高校生の頃はあちらこちらの文化祭に招待されるグループの一員だった。フォークソングからニューミュージックに移ろうとしていた時期。「ニュー」って言ったって、今じゃ、古すぎて、知らない人の方が多いかもしれないが。
左の大きなヤツがその時からの愛器であったが、1974年製の古くからの相棒は、すっかり老化してしまい、音が狂ってきて、触る度に悲しくなっていた。だから自然と触れる機会も減っていた。
だが、やっぱり弾きたい。この歳になって買うのもどうかとさんざん迷ったが、勇気を出して新たに右のギターを手に入れたのだ。
前のに比べてかなり小ぶりだが、扱いやすく、音色も弾きやすさも上々。暇があると付き合ってもらっている。そのうち、講演旅行に連れて行って、一曲歌うか。それじゃ講演じゃなくて公演だなぁ。ま、誰もそんな事は求めてこないだろう。
どこかに出掛けなくても、新しい事ではなくても、楽しみを見つける。そんなに難しい事ではないはず。ぜひ探してみよう。
そして、皆に笑顔が戻れば、こんな嬉しい事はない。
今年はこんな風だから、おそらく講演旅行もほとんどないだろう。
だから、私も手近な事で楽しむ。
最後に、3月29日の季節外れの雪で遊んだ記録。
春だからこその、雪だるま。

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